ROAD TO THE DERBY 2018BACK NUMBER
父ロードカナロアのスピードが武器。
ステルヴィオは第2のキタサンを目指す。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKeiji Ishikawa
posted2018/03/21 07:30
すでに1800mまで経験しているステルヴィオは、皐月賞は問題なく適性範囲内。ダービーから中長距離路線も視野に入れている。
父よりも距離延長は問題なさそう。
父ロードカナロアは香港スプリントを連覇するなど、名スプリンターとして大活躍した。しかし、ステルヴィオ自身はこれで1800mを2戦2勝。もっとも1600m戦でも3戦してダノンプレミアム以外には先着を許していないのだから一概に距離の短さが敗因とは言い切れないが、少なく見積もっても父以上に距離が延びても大丈夫そうなのは事実だろう。
実際、1800mでもあれだけ末脚をしっかり伸ばしてくるなら、大丈夫そうに思える。この点について、主戦騎手はニコリとして答えた。
「走っている感触では2000mに伸びるのはかえって良さそうです。小回りの中山のコーナーも問題なく良いバランスで走れていたし、皐月賞でも好勝負ができると思います」
皐月賞での騎乗が決定したわけではないルメールだが、客観的にそう述べた。
ダノンプレミアムとの差は埋まるか。
さて、クラシックを制するためには、ここまで2回敗れている暫定王者ダノンプレミアムを逆転しなければならない。この点に関してルメールは「正直分からない」と言いつつも、次のように語った。
「ステルヴィオ自身は2歳時に比べてだいぶ緩さを解消してきたと感じました。間違いなく成長しています。本番までの間にもさらに成長してくれると思うので、なんとか逆転したいです」
逆転できるかどうか? ではなく、一生に一度しかチャンスがないクラシックを制覇するためには逆転しなければいけないのだから、パートナーがそう語るのも頷ける。
皐月賞の先には更に400m延び、2400mが舞台となる日本ダービーが待っている。ステルヴィオが皐月賞後にNHKマイルCへ行くのか、ダービーへ向かうのかはまだ分からないが、最大の祭典へ矛先を向けた場合、果たして通用するのだろうか。ルメールの予想はこうだ。
「お父さんのロードカナロアはスプリンターだったので、距離延長はどう出るかは分かりません。でも、ステルヴィオ自身をみていると距離はもちそうだし、まして3歳馬同士なら通用する気がします」
母系にサクラバクシンオーが入っていたキタサンブラックが長距離戦線でも大活躍をしたのは記憶に新しい。ロードカナロア産駒にも同様の活躍を期待したい。