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「川崎さん、何で風呂桶だったの?」
開幕前にグッズの謎を聞いてきた。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAsami Enomoto
posted2018/02/24 11:00
2017年Jリーグの大団円……そこで風呂桶を掲げた辺りがフロンターレイズムだ。
3200個売れたのは、まったく想定外。
――じゃあリーグ戦の優勝グッズの準備は進めていなかった、と?
「そうです。残り2試合になって浦和レッズに勝利して“優勝あるんじゃないの”となったのが11月29日。そのあとドタバタで決めていきました」
――最終戦まで3日しかない。そのなかで風呂桶を思いついた、と。
「やっぱり目玉となるものが欲しいじゃないですか。風呂桶は過去に商品化した実績もありますし、ピンと来ました。シャーレは選手しか掲げられないけど、丸い風呂桶だったらサポーターのみなさんが毎晩、風呂場で掲げられるな、と。いや、掲げてほしい、と。Jリーグの担当者からもGOサインをもらい、急いで準備した次第です」
――その優勝グッズの目玉は、爆発的に売れたと聞きました。
「はい。100個行けばいいかなと思っていたら、3200個も売れました」
――す、すごい。
「昔、グッズ化したフロンターレのロゴ入り桶はあまり売れなくて、(中村)憲剛さんが2016年にMVPを獲ったときに最高の賞を称えようと漆で記念の風呂桶をつくったんですけど、これも50個ぐらい。3200個というのは、まったくの想定外です」
――元々、風呂桶は銭湯の利用促進のPRを兼ねて取り組み始めたもの。そういう効果もあるように思います。
「川崎浴場組合連合会のみなさんも喜んでくれていると聞いています。グッズでも地域貢献できれば、フロンターレとしては嬉しいことなので。そして何より、サポーターさんが喜ぶものを提供できたことが嬉しかったですね」
今年の新商品も笑い、狙ってます。
今年の新商品もちょっとした笑いを狙っているそうだ。
マスコットのカブレラの「おてて」を再現したモコモコの手袋など、アイデア商品を世に出している。ネーミング一つにこだわりを見せる。
クラブを強くするのは現場のみにあらず。
事業も営業もスタッフ1人ひとりの思いが、クラブを強くする。
爆笑のなかで高々と掲げられたあの風呂桶が、そう教えてくれている。