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山川穂高が人生をかけて手に入れたもの。
フルスイングに隠された繊細さと覚悟。 

text by

鈴木忠平

鈴木忠平Tadahira Suzuki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2018/03/16 11:30

山川穂高が人生をかけて手に入れたもの。フルスイングに隠された繊細さと覚悟。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

「困ったら初球から全力で振る」

 そして、家に戻れば昨年入籍した元ソフトボール選手の妻に時々、スイングの動画を見せて、気づいた点を指摘してもらう。それが終わると、愛妻とは別々の寝室へ……。

「僕、意外と神経質でちょっとした音でも起きちゃうんですよ。シーズン中は体調のことを考えて、そうしています」

 この愛すべきホームラン打者の前には、今年も高いハードルがそびえている。中村も、メヒアも依然として“壁”であることに変わりはないのだ。ただ、その壁に向かっていく山川の姿にはかつてのような絶望の色はない。

「何やっても打てる時ってあるし、逆にどんなことをしても打てない時もあるんです。ただ、そこでブレないものがあるかどうか。僕はフルスイングに戻ります。とにかく初球から全力で振る。困ったら、そこに戻るんです」

 豪快なだけじゃない。弱さや繊細さ、そしてそれを乗り越える覚悟がつまったホームランなのだ。そう思うと、メットライフドームに描かれるあの放物線は、また違った感慨を帯びて見えてくる。

▶ 山川穂高「フルスイングは、自分の原点に戻る『マイルール』」(メットライフ生命 #老後を変えるキャンペーンサイト)

山川穂高

山川 穂高Hotaka Yamakawa

1991年11月23日、沖縄県生まれ。小学生の時に野球を始め、中部商業高校、富士大学を経て2013年のドラフト2位で埼玉西武ライオンズに入団。4年目の2017年に自己最多の78試合に出場。8月度と9・10月度にはパ・リーグ史上4人目、ライオンズの打者としては初となる2カ月連続月間MVPを獲得。オフにはオーバーエイジ枠で第1回アジア プロ野球チャンピオンシップの日本代表に選出された。176cm、100kg。

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