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ドルトムントが警戒する地方クラブ。
セリエA下位から、2年でEL決勝Tへ!

posted2017/12/28 07:00

 
ドルトムントが警戒する地方クラブ。セリエA下位から、2年でEL決勝Tへ!<Number Web> photograph by Getty Images

強面の監督も多いセリエAにあって、懐の深い人心掌握を見せるガスペリーニの存在感は際立っている。ビッグクラブにいつ引き抜かれてもおかしくない。

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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 今季のUEFAヨーロッパリーグ(以下EL)前半戦最大のサプライズかもしれない。欧州カップ戦へ27季ぶりに出場しているアタランタが、グループEで堂々首位突破を果たした。

 知名度や実績、資金力ではるか格上のリヨン(フランス)やエバートン(イングランド)を凌駕して、決勝トーナメント進出を勝ち獲った。イタリア北部の小さな地方クラブが欧州全体に与えたインパクトは決して小さくない。

「我々は難しいグループリーグを戦いながら急速に力をつけた。どんなチームであれ、うちを相手にするのは骨が折れるはずだ」

 アタランタを率いて2年目の指揮官ガスペリーニは、望外の快進撃を見せた教え子たちの成長ぶりに目を細める。

 決勝トーナメントの相手ドルトムントも、すでに警戒態勢だ。アタランタ旋風の勢いは広い欧州の舞台でもまだまだ衰えそうもない。

 昨季、国内きっての戦術家ガスペリーニを迎え入れたアタランタは、若手選手を中心にした攻撃サッカーであらゆるクラブ記録を塗り替えながら国内4位に食い込み、27年ぶりの欧州カップ戦出場権獲得という快挙を成し遂げた。

リヨン、エバートンと同組になり期待は萎んだが。

 しかし、本戦グループリーグの抽選会で昨季大会ベスト4の名門リヨンと、FWルーニー復帰で意気上がるエバートンとの同居が決まると周囲の期待は萎んだ。

 キプロス島代表のアポロンはともかく、英仏2クラブは欧州カップ戦の常連であり、経営規模や選手リストの合計評価額でいえば、アタランタが逆立ちしても勝てるはずがない。地元紙からは「これではまるで(レベルが上の)チャンピオンズリーグの組合せだ。突破は困難」と悲観論が噴出した。

 アタランタには、さらにホームスタジアムの難題もあった。地元ベルガモに約90年前に建設された「アトレーティ・アッズーリ・ディターリア」はUEFAの試合開催基準を満たせず、アタランタはホーム3試合を約200km離れたサッスオーロのホーム「マペイ・スタジアム」で“間借り”開催することを余儀なくされた。

 開幕時点でアタランタのUEFAクラブランキングは127位。大会前から予見された逆境に、クラブのペルカッシ会長も「ELより優先すべきはセリエA残留」と明言したほどで、27季ぶりの欧州の晴れ舞台は“思い出作り”の場だと誰もが思っていた。

 ガスペリーニ監督と選手たち、そしてグループリーグ3試合分の“ホームチケット”を即座に購入した1万人のサポーターをのぞいて。

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