渡辺二郎の名言
あの時負けていたと思えば残りを死に物狂いで取りに行った。あれで俺の人生終わってしもた。
渡辺二郎(ボクシング)
通算14度目の世界戦となった、1986年3月30日に行われたヒルベルト・ローマン戦。8ラウンド終了時点でセコンドの吉井清会長から「3点勝っているからな」と告げられた渡辺は、「残り4回を流しても負けはないな」と計算し、流して勝ち逃げを目論んだ。だが、実際はこの時点でジャッジがつけていたポイントは両者イーブン。試合後の判定は、僅差で渡辺の敗戦となってしまった。プライドを傷つけられた渡辺は、試合後に怒りを爆発させたが、後の祭りである。この試合が現役最後の試合となるのだが、正式に引退を表明したのは約6年後の1991年。敗北を受け入れるのに、それだけの時間が必要だったのだ。
Number941号(2017/12/06)
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