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闘志見えず……7年ぶり日韓戦敗北。
Jリーグに致命的な傷がついた夜。 

text by

戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2017/12/17 11:30

闘志見えず……7年ぶり日韓戦敗北。Jリーグに致命的な傷がついた夜。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

いつもは感情を露わにするハリルホジッチ監督が、この日は比較的冷静だった。その反応に選手たちは、何を感じただろうか……。

Jリーグは、ひ弱な選手たちしか育てられないのか。

 今大会に招集された選手たちにとって、韓国戦はロシアW杯への最後のアピールの機会だった。自分は何ができるのかをここで見せなければ、W杯へのサバイバルには加わっていけないのだ。

 1人ひとりのプレーを部分的に、技術的に切り取れば、アピールと呼べる部分はあったかもしれない。しかし、勝利につながらなかっただけでなく、試合の流れさえ変えられなかったのだから、信頼を勝ち取った選手はいない。

 次にまた同じような苦しみに直面したときに、チームを助けてくれるとの期待を抱けないからだ。結局は経験のある選手に頼ってしまうだろう、との見通ししか描けない。

 Jリーグの価値にも、致命的な傷がついた。代表レベルだけでなくクラブレベルでも、これからは韓国サイドが精神的優位に立つ。メンタルの力関係を覆すには、今回の韓国のような大勝が必要だ。あるいは、僅差の勝利をいくつも積み重ねていくしかない。どちらにしても、大変な作業になる。

 日本代表の土台となるJリーグは、こんなにもひ弱な選手たちしか育てられないのか。日本サッカーそのものを否定されたような敗戦が、たまらなく歯がゆくて悔しい。

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