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活躍した選手より取材対象への愛。
プロ野球MVP投票、“忖度”の度合い。
 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKyodo News

posted2017/11/25 11:00

活躍した選手より取材対象への愛。プロ野球MVP投票、“忖度”の度合い。<Number Web> photograph by Kyodo News

2017シーズンのMVPを獲得した丸とサファテ。この2人の選出について異論は少ないだろう。

MLBでは誰がどんな投票をしたか公表されている。

 それを1つの「見識」という人もいる。

 メジャーでは2009年に打率、出塁率、長打率がア・リーグトップだったミネソタ・ツインズのジョー・マウアー捕手が1票差でMVPの満票受賞を逃した。そのときマウアーではなく、当時デトロイト・タイガースでプレーしていたミゲル・カブレラ内野手に1票を投じたのが日本人記者だったのだ。その記者は他の記者から激しい質問攻めと批判にあっている。

 ただ、それを覚悟で投じた1票ならば、それこそ1つの「見識」といえるのかもしれない。それを担保するものために、今年のMVP投票はア・リーグ、ナ・リーグそれぞれ30票ずつと投票できる記者は限定され、誰がどういう投票をしたかはネットで公表されている。

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 日本でもきちっと投票への説明責任を果たせるように、投票内容を公開すべきだろう。それと同時に投票できる記者を、より厳密に選ぶことだ。人数を絞って1票の価値をより重くして、その自覚の上でプロのプロ野球観戦者として票を投じてもらうべきだろう。

 何かを忖度した投票は、結果的には賞の価値を落とすことになる。そしてそれは受賞した選手たちの価値をも矮小化させることに繋がってしまう。

 何もいいことはないのである。

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