プロ野球列島改造論BACK NUMBER
提案したいドラフト関連イベント。
春の球宴『ルーキードームツアー』!
posted2017/10/29 08:00
text by
ダンカンDankan
photograph by
Takuya Sugiyama
「後輩のために活躍してくださいねー」とほのかに恋心を抱いていた野球部の女子マネージャーに手作りのお守りを渡される18歳の野球少年。
「お前はやる男バイ。郷土の誇りのなっちゃれ!」と地元のファン500人の万歳三唱で送り出される大学生。
「プロで超一流になっても会社のこと忘れたらあかんで」と上司に力強く肩をたたかれる社会人のエース。
ドラフト会議で指名された者はだれしも親、兄弟、親類どころかチームメイト、クラスメイト、友人、知人、恋人などなど多くの者たちの期待を一心に集め、プロという世界へ向かって飛び込んでいくことだろう。
応援してくれるその誰よりも、もっともっと大きな夢を膨らませているのは指名された本人なのかもしれない。
しかし、現実というものは時に冷酷に、その若者たちの大きく膨らんだ風船のような夢に、針を刺す……。
プロ野球選手の平均現役寿命は9年と言うけれど……。
プロ野球選手(日本人のみ)の現役寿命の平均は約9年だそうである。とはいっても「平均値」は、決して実感として正しい数字ではないことは誰もが知るところだろう。
ひとつの目安としてそういう数字があることに何の異論もない。ただ、50歳1カ月と26日まで現役生活を続けた元中日の左腕山本昌は勤続30年。かたや、名門の巨人や阪神にも実在するプロ野球界を1年で解雇されるような選手も決して少なくはないのである。極端な話、30年と1年の平均となると15.5年になる訳で……。
てな事でプロ野球の現役平均寿命はたぶん平均以下(多分)でユニフォームを脱いでいる者が多数のはずなのだ。