“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
世界レベルで通用した00ジャパン。
最強イングランド相手にPK戦で散る!
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byZUMA Press/AFLO
posted2017/10/18 17:00
敗退決定後、泣き崩れる選手たちもいたが……。若い選手たちにとっては、すでに次の戦いが始まっているのである。
00ジャパンは凄まじい成長を遂げていただけに……。
今大会、1-2で敗れたフランス戦、そしてこのイングランド戦こそが「真の世界レベル」の、まさに命懸けの試合だったのだ。この2試合を通じての経験値は、日本の選手たちにとって計り知れないほど大きなものになったはずである。
フランス戦で学んだことは、すぐさま彼らの血肉となり、イングランド戦の善戦につながっていた。もしここを突破していれば……今度はイングランド戦で学んだことを実戦で披露し、さらに高い次元のサッカーで試合経験を積むことができたはずだ。
彼らは試合を通じて凄まじい成長を遂げていただけに、ここで終わってしまうのは本当に残念でならない。
この経験を活かすも殺すも、明日からの日常生活次第。
かくして彼らの初めての“世界トップレベルでのガチンコの戦い”は幕を閉じた。
だが、重要なのは実はこれからなのだ。
ここからフランスやイングランドの同世代の選手達は、母国リーグや国外の世界トップレベルのプロリーグで、より質の高い経験を積み重ねながら一気に成長速度を上げていく。
果たしてそのスピードに、日本の選手達がどこまでついていけるのか?
平凡にも感じるだろう日常生活、そしてサッカー選手として身を置くプレー環境など……この試合のことを忘れ、少しでも油断した日々を送っていると、イングランドやフランスの同世代の選手達との差は、簡単に、大きく、一気に広がってしまうのだ。
この大会に出た選手達にとって、このU-17W杯での経験が本当に人生における大事な財産になるかどうかは――今この瞬間ではなく、明日から待ち受ける日常生活で決まってくるのだ。