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清宮プロ志望でドラフトが読める?
12球団の思惑、単独1位候補は誰だ。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byKyodo News

posted2017/10/16 11:00

清宮プロ志望でドラフトが読める?12球団の思惑、単独1位候補は誰だ。<Number Web> photograph by Kyodo News

U-18W杯でともに戦った(左から)安田、清宮、中村。3人ともドラフト1位指名となるか。

田嶋以外に単独指名があり得る3選手は……。

 超高校級野手が一軍の戦力になるまで待てないし、うちが本当に必要なのはピッチャーという球団は当然、即戦力の期待がかかる大学生、社会人に向かう。その候補筆頭は田嶋大樹(JR東日本)である。150km以上のストレートを持ち、それと同じ腕の振りから操る130km台後半のカットボールの威力が凄まじく、日本選手権出場決定戦のSUBARU戦では3安打、1失点で完投した。この田嶋に向かう可能性があるのは投手成績(チーム防御率)の下位球団、ヤクルト、オリックス、ロッテの3球団。

 以上の3人が1位入札の有力候補だが、指名が重複すれば抽選(くじ引き)に臨まなければならない。そのリスクから逃れるために単独指名を狙う球団が出てきてもおかしくない。その単独指名候補に挙げられる選手が馬場皐輔(仙台大・投手)、東克樹(立命館大・投手)、鈴木博志(ヤマハ・投手)、安田尚憲(履正社・三塁手)の4人である。

大学勢では最速152kmの馬場、サウスポー東に注目が。

 馬場皐輔は仙台六大学リーグ優勝に大きく前進した東北学院大との2回戦のピッチングが素晴らしかった。ストレートの最速は馬場が152km、相手校の鈴木遼太郎が150kmで、馬場は縦にスパッと割れるスライダー、鈴木は西口文也(元西武)に酷似した投球フォームから、やはり西口が得意とした斜めに大きく変化するスライダーを勝負球に屈指の投手戦を演じた。

 この馬場の地元球団が楽天で、エース則本昂大は近い将来、ポスティングシステムでMLBに移籍することも噂されている。その後任として馬場は格好の存在だし、2位以下では鈴木の指名も十分考えられる。

 則本のドラフト指名時を思い出してほしい。三重中京大時代、彼を1、2位候補と言い切った人間はごくごく少なかったはずである。その三重中京大時代の則本と現在の馬場の実力にそれほど大きな差はない。

 東克樹は関西学生野球リーグ史上初となる2度のノーヒットノーランを達成する本格派左腕で、10月10日の関西大戦はハムストリングスの不調を訴えた9月23日以来の登板だったが、ストレートは最速151キロを計測、さらに縦系のスライダー、カーブ、チェンジアップなど多彩な変化球をコントロールよく四隅に集め、7回途中まで得点を許さなかった(降板後リリーフが打たれ失点1)。

 バックネット裏には11球団、40人のスカウトが顔を並べたとスポーツ紙に紹介されるほどの人気だ。マウンド上に好投手、阪本大樹(関西大4年)が投げ続けているにも関わらず、東の降板と同時にネット裏からそのスカウトたちが一斉に姿を消してしまった。この東には田嶋獲得の候補にしたヤクルト、オリックス、ロッテ、さらに西武が向かう可能性がある。

【次ページ】 「大谷翔平が好き」と公言する剛腕・鈴木博志。

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