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阪神と3.5差、見え始めた逆転2位。
DeNAと嶺井博希に漂う頼もしさ。
posted2017/09/26 17:30
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph by
Kyodo News
虎との最終対決5番勝負に臨んでいるベイスターズは、甲子園で2連勝を飾り、明日からの本拠地3連戦を前にゲーム差を3.5に縮めた。
カードが始まる前の時点で逆転2位の可能性を真顔で語ることができたのは、当事者である監督や選手たちを除けば、相当な楽天家しかいなかった。
2つ勝ったとはいえ、依然として3.5ゲーム差で残りは両軍とも7試合。ベイスターズとしては、平均台の上を全力で走るがごとき難業に挑まねばならない状況は変わらない。
ただ、相当な楽天家しかいなかった逆転2位の予想者は、着実に増えた。
もしかして。
あるかもしれない。
絶望と同義語になりかけていた希望はいま、たしかな期待に変わっている。
ベイスターズは、タイガースとの3連戦で2敗すると2位の可能性が消滅する(以下、複雑さを回避するため引き分けの場合は除外する)。2勝1敗で勝ち越しても、タイガースが残り4試合のうち2勝した時点で逆転は不可能になる。
やはり、何としても3連勝で0.5ゲーム差まで肉薄したい。そこまでいけば、残り4試合での勝利数が多いほうが2位(同数ならタイガース)。横浜スタジアムでのCS開催へ向け、十分に勝機は出てくるだろう。
あえて言うならば全員がキーマン、だが。
キーマンとして挙げたいのは、捕手の嶺井博希だ。
実は甲子園での試合が始まる前、この5連戦に関して原稿を書いてもらえないかという編集者からのメールに、筆者はこう返事をしていた。
≪先発はどんなに悪くても5回2失点がノルマだと思います。阪神のリリーフを打ち崩すのは至難の業なので、打線は絶対に先制すること。ベイスターズは選手層が薄いため、スタメンを入れ替えるなど、選手起用で策を講じることはまず考えられません。とにかくレギュラー陣、登板する投手陣が各々の果たすべき務めを果たす。それしかない≫
ゆえにキーマンとして誰かを名指しするのは難しく、「あえて言うならば全員がキーマン」と書いた。