eスポーツは黒船となるかBACK NUMBER
LoL日本代表「僕らが活躍すれば」
eスポーツの命運を握る若きチーム。
posted2017/09/24 09:00
text by
八木葱Negi Yagi
photograph by
2017 Riot Games,inc.
「日本がサッカーのワールドカップに初めて出た時のことって覚えてますか?」
その質問に、返ってきたのはこんな答えだった。
「まだ4歳だったので……」
この日本代表チームは最年長が23歳――若い。
彼らは『リーグ・オブ・レジェンド』(以下LoL)というゲームの日本王者であり、日本チームとして初めて世界一を決める大会World Championshipに出場するチーム「Rampage」のメンバーだ。
LoLは月に1回以上プレーする人数が世界で1億を超え、世界大会決勝の視聴時間はアメフトのスーパーボウル以上と言われる“超人気スポーツ”だ。海外では奨学金の対象になったり、専門学校ができるほどの流行を巻き起こしている、eスポーツの中心的存在でもある。8月の日本大会決勝では、幕張メッセを4000人の観客で埋め尽くし、オンライン配信ではその数倍のファンがリアルタイムで試合を目撃した。
「僕らが勝てば、日本のレベルも上がる」
それだけの規模を持つ大会だけに、Rampageのメンバーが背負っているものは想像以上に大きい。チーム最年長のYutoriMoyasi選手(野口悠太)は、世界大会に出場することの意義をこう話してくれた。
「国内の決勝戦も緊張しましたけど、世界大会はやっぱり重たいですね。日本はLoLの世界では後発で、まだ世界の中でそこまで存在感がある国ではないんです。でもここで僕らが活躍すれば日本全体の評価が上がることになるし、それで世界のトップ選手が移籍してきたら日本リーグのレベルも大きく上がる。そうすれば国内での認知度も上がると思うし、まずは結果を残さないと始まらないんです」
Rampageのメンバー構成は、日本人選手3人と韓国人選手2人、そしてコーチも韓国人である。この人数比は日本の他のチームも大体同じで、それには理由がある。