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解説者ザックがイタリア代表に嘆き。
「チームとして評価にも値しない」
posted2017/09/05 08:00
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
元日本代表監督アルベルト・ザッケローニは現在、イタリア国営放送RAIによる同国代表戦中継の解説者を務めている。彼独特の柔らかな語り口で、タイミングよく届けられる的確なプレー解説や戦術に関するコメントは非常にわかりやすい。
2日、マドリードで行われたロシアW杯予選でも、ザッケローニは現地からグループGの大一番、スペイン対イタリア戦を解説した。
ともに勝ち点16で並んだ首位攻防戦は、ホームのスペインが一方的に主導権を握り、3-0で圧勝。本大会出場権をほぼ手中に収めた。一方、敗れたアズーリは各グループ2位同士によるプレーオフに回る可能性が高くなった。
惨敗を振り返ったザッケローニは手厳しかった。
「今夜のイタリアは、チームとして何の評価にも値しないほど酷かった。前線も中盤も守備も、全部ダメだ」
「スペインは人類を超越している」って……。
アズーリを率いるベントゥーラにとって、EUROフランス大会後に代表監督の座を争った5歳年下のザッケローニからの直言はさぞ耳が痛いだろう。試合後、老将は呻くのがやっとだった。
「スペイン代表は人類を超越している」
いやいや、いくら上手いとはいえ、スペイン代表は宇宙人じゃない。
2ゴールを奪われたスペインMFイスコには確かに手も足も出ない状態だったが、イタリアの不甲斐なさには疑問が残った。闘将コンテ(現チェルシー)率いるアズーリがEURO2016でスペインを撃破してから、まだ1年ちょっとしか経っていないはずだ。
負けは負けと認めて敗因を探り、一刻も早い打開策を見つけねばならない。さもなくば、プレーオフ突破すら不安になってくる。