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解説者ザックがイタリア代表に嘆き。
「チームとして評価にも値しない」
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2017/09/05 08:00
歓喜に沸くスペイン代表とは対照的に落ち込むアズーリ。天国と地獄を分かつプレーオフに回ることになれば、さらなる重圧が待ち受ける。
今のアズーリに必要なのは戦術論議より度胸。
スペイン戦で意気消沈したアズーリには、旧き時代の曲者の空気を纏うDFキエッリーニの復帰が待たれる。
ユベントスでの今季のCL開幕カードのバルセロナ戦には間に合わない可能性大だが、11月のプレーオフには万難を排して復帰してくるはずだ。
「4-2-4はボールキープの状態で4-4-2になる。相手の出方に注意を払いながら、冷静に攻めどころを見極めることが大事だ」
イタリア代表へザッケローニの戦術注文は続く。今のアズーリは、もしかしたら自分が指導したかもしれないチームだったから、見る目がより厳しくなるのも頷ける。
だが、20年ぶりのプレーオフを突破するためには、戦術論議以上に大事なことがある。指揮官が褌を締め直し、抜擢された若手選手たちも腹を括り、勝負度胸を見せることだ。
20年前のイタリア代表は個性もアクも強かった。
'98年の本大会でタイトルは獲れなかった。それでも、自分たちに絶対の自信を持ち、サッカーの勝負で背中を見せることはなかった。
“相手が地球外生命体でも俺たちは勝つ”
1997年のアズーリなら、そう豪語したような気がする。