プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
内藤哲也また1年遅れのG1制覇。
その現象は東京ドームでの大合唱へ。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2017/08/16 17:00
本人にとってもファンにとっても、待ちに待った「新日本の主役の座」。あとは、1.4のメインで大暴れするだけだ!
うすら笑いを浮かべ、動じず「やりたいようにやる」。
疑問を投げても否定する材料は見当たらない。
内藤がこの2年間で構築したインゴベルナブレスというコンセプトは、ついにここまで来た。
それは1つの「現象」になった。
これも運命か?
そんな「運命=デスティーノ」に操られるように、内藤は爆発した。制御不能という名のもとに、新日本プロレスを我が物顔で闊歩した。
「あんなもの、そんなもの新日本じゃない」と一部から非難されようとも、内藤はうすら笑いを浮かべて動じなかった。やりたいようにやる。
両国国技館に響き渡った「デ・ハポン」の大合唱!
「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」vs.「バレット・クラブ」
“デスティーノ“vs.“片翼の天使”
そんな天王山で、内藤は34分35秒の戦いの末、オメガに勝った。
「Evil, Bushi, Sanada, Hiromu y Naito, nosotros Los Ingobernables de Japon!」
内藤はインゴベルナブレス創設以来最大の「デ・ハポン」の大合唱を両国国技館に集ったファンと共に叫んだ。
内藤はマイクを手に、しっかりとファンを見渡した。
「グラシアス・アミーゴス」
内藤は感謝の気持ちを「お客様」に伝えた後、続けた。
「今のオレは自信をもって言える。オレが新日本プロレスの主役だ!」
笑みを浮かべて、元祖夏男の蝶野正洋とも握りしめた拳を軽く合わせた。