松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
マキロイ「今週はヒデキこそがカギ」
優勝の疲労は全米プロにどう影響?
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySonoko Funakoshi
posted2017/08/09 17:00
谷原秀人と一緒の練習ラウンド中に、ティショットのセットアップを確認しなおす松山英樹。このストイックさが彼を支えているのだ。
何度もプレーしたコースだが、改良で別物に。
クェイルホローは米ツアーのウェルズ・ファーゴ選手権の舞台となってきたが、今回はコースがやや改良され、メジャーの舞台にふさわしいものへと仕上げてある。
通常はパー72だが、今回は71。全長7600ヤードという破格の長さでパー71は、米ツアー屈指のロングヒッターにとっても「長い」と感じる設定だ。
このコースで過去2勝を挙げているローリー・マキロイは「いつもは出だしの5ホールで1つか2つスコアを伸ばしていたけど、今回はそこをイーブンパーで切り抜けるのが目標。雨で地面がソフトになってボールが転がらないから、距離的には一層タフになっている。でも、チャンスもたくさんあるけどね」
そして松山は、改良されたコースは「別コースですね。グリーンだけじゃなく、フェアウェイもラフも変わってる。全部違うので、初めてのコースだと思ってやっています」と、初心に戻ることを心掛けている。
「グリーンは今日は(雨の影響で)だいぶスピードが落ちたけど、それにしても早かったし、硬かった」と十分に警戒。そのグリーンは巨大で2段3段の段差があり、おまけに複雑なうねりを見せている。
「ティショットがフェアウェイにいかないと、(グリーンの狙うべき)面には絶対に打てない。ショットがカギになってくる」
チャンスホールはない、という発言の理由は。
距離に関しては「天気が悪いので(ボールが転がらず)全体的に長いホールが続くので大変だな」と、マキロイ同様の感想を口にした。だが、マキロイが言うようなチャンスホールは「ないと思います」ときっぱり。
マキロイは「今までよりスコアは少し悪くなるだろう」とやや警戒していたが、松山は「やってみないとわからない」と、今は見通しもない状態だ。
調子が上がれば、松山もチャンスホールは「ある」と感じるようになるだろうか。チャンスを見つけ、チャンスを創り出そうと思えるようになるだろうか。
そのカギとなるのが、フェアウェイ、そしてグリーンの狙った面を捉えられるショットということになる。