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今年のドラフトは'05年とそっくり。
高校は強打者、では大学社会人は?
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/06/23 11:30
清宮をはじめ今夏の甲子園は高校生スラッガーの注目度が高い。それと同時に大学・社会人の逸材を見極められるかはスカウトの腕の見せ所だ。
WBCメンバーを見ていっても、選手の傾向は同じ。
●投手
<高校卒>
松井裕樹(1位)、藤浪晋太郎(1位)、武田翔太(1位)、岡田俊哉(1位)、千賀滉大(育4位)
<大・社出身>
菅野智之(1位)、秋吉亮(3位)、則本昂大(2位)、宮西尚生(3巡)、増井浩俊(5位)、石川歩(1位)、牧田和久(2位)、平野佳寿(希望枠)
●野手
<高校卒>
炭谷銀仁朗(1巡)、坂本勇人(1巡)、中田翔(1巡)、山田哲人(1位)、内川聖一(1位)、平田良介(1巡)、筒香嘉智(1位)、鈴木誠也(2位)
<大・社出身>
小林誠司(1位)、大野奨太(1位)、田中広輔(3位)、松田宣浩(希望枠)、菊池涼介(2位)、青木宣親(4巡)、秋山翔吾(3位)
1位もしくは1巡指名でプロ入りした高校卒野手の充実がここでも見られる。高校卒はクリーンアップ、大学生&社会人は2位以下が多く捕手や1、2番タイプという役割的な違いも目立つ。
高校卒は数こそ少ないがエリートがそのまま主力に。
投手も傾向は一緒だ。大学生&社会人は菅野、則本という大エースがいるが、ここにダルビッシュ有(レンジャース)、田中将大(ヤンキース)、前田健太(ドジャース)、岩隈久志(マリナーズ)というメジャーリーガーを入れると、高校卒は先発タイプ、大学生&社会人出身は侍ジャパン代表の平野、秋吉、増井、宮西などのリリーフタイプ、という特徴が見えてくる。
つまり、高校卒は数こそ少ないが投手でも野手でもエリートがそのまま主力に収まり、投手は2位以下でプロ入りした選手が苦労している。投手だけを考えれば、前評判が高い高校生を抽選で外したら大学生か社会人の即戦力タイプに向かい、2位以下も大学生&社会人が増える。
一方で野手がほしい球団は上位も下位も高校生主体で考えて、捕手や1、2番に適性のあるチャンスメーカーは大学生か社会人を主体に考える。