詳説日本野球研究BACK NUMBER
今年のドラフトは'05年とそっくり。
高校は強打者、では大学社会人は?
posted2017/06/23 11:30
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Kiichi Matsumoto
2004年に沸き起こった再編騒動は一時、1リーグ制への流れへと向かったがせき止められ、現在まで2リーグ制が維持されている。ただ当時のムーブメントが球界の流れの変化につながっている気がする。
'06年以降、関東の地上波から野球中継が姿を消しはじめ、それにつれて巨人の神話性が薄れていった。地上波の代わりにBS、CS放送による中継が激増し、現在では12球団の試合をライブで見られる。
またインターネットを活用した動画配信サービスと契約すればパ・リーグ全試合がパソコン、スマホ、タブレットで見られるようになり、最後まで見られなかった地上波時代の中継に比べると、ファンは遥かに快適な環境で試合をテレビ観戦できるようになった。
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テレビ中継以外の変化では'05年から入場者数が実数発表になった。'14年にはパ・リーグの年間観客動員が1000万人を超え、昨年はセ・パ両リーグ合計で2500万人に迫っている。'05年からは交流戦がスタート。また'06年から開催されているWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では日本が第1、2回大会を連覇した。このようにプロ野球を取り巻く環境は'04年以前とはまったく変わっている。
高校生と大学生&社会人ドラフトが分離された3年間。
この流れの中で、ドラフトは'07年から希望枠が廃止され、翌年から入札制による指名に戻された。
それ以前、'05年から'07年の3年間は、高校生と大学生&社会人のドラフト指名が別々に行われていた。球児の進路を早く決定したい高野連の希望もあって高校生だけ早い時期に指名されたのだが、このやり方には高校生のナンバーワンと即戦力(大学生&社会人)のナンバーワンを両獲りできるという不公平要素が潜んでいた。
ただ、この3年間に各球団が行ったドラフト指名は興味深い。