沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
直線の明暗を分けた隙間のない壁。
安田記念制したサトノアラジンの幸運。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2017/06/05 11:30
3連敗はしていたものの、サトノアラジンの評価は高いままだった。マイルという舞台を見つけた大器は、ここから大きく羽ばたくか。
人気は低くても、荒れたという印象はない。
サトノアラジンは、この勝利によって、仏ジャックルマロワ賞(8月13日、ドーヴィル)、米ブリーダーズカップマイル(11月4日、デルマー)の優先出走権を得た。どんな路線を歩むかは、これからオーナーと相談して決めるという。
1着から3着まで、7、8、3番人気で決まったのだが、波乱という感じがしない。それは重賞初挑戦でありながら4着に来たグレーターロンドンを含む上位の馬たちが、誰が見ても「強い」と思うレースをしたからだろう。
もしイスラボニータやエアスピネルがもう少し早く進路を確保できていたら、より激しく、熱い戦いになったかもしれないが、言っても仕方のないタラレバは、このくらいにしたい。今回は不運だったが、この2頭の評価が下がることはないだろう。