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今年のマスターズは日本人が大暴れ!?
松山並に期待できる池田勇太と谷原秀人。 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph bySonoko Funakoshi

posted2017/04/05 11:30

今年のマスターズは日本人が大暴れ!?松山並に期待できる池田勇太と谷原秀人。<Number Web> photograph by Sonoko Funakoshi

松山英樹と談笑しながら練習ラウンドを回る谷原秀人。マスターズ恒例の水切りショットも見せた。

「調子? 絶好調よ」と池田が見せた満面の笑顔。

 以前より、いろんなものが見えるということ。よりポジティブな方向に変わって見えるということ。それは、池田の視野が広がったことを示している。そして、視野が広がったことは、それだけ冷静に周囲を見渡す心の余裕が生まれているということ。

「以前と比べて、すごく気持ちがたかぶっている感じではない」

 とはいえ、冷めているわけではもちろんない。

「秘めたる想いはあるけど――」

 そう、池田の胸に秘められた想いはメキシコ選手権でもマッチプレー選手権でもじんじん伝わってきた。メキシコでは尻上がりにショットとパットの調子を上げた。その直後に一時的に体調を崩したものの、マッチプレー選手権では再び上り調子に持っていき、その足でアトランタへ移動し、心技体すべての調整に努めてきた。オーガスタで会ったときは「調子? 絶好調よ」と満面の笑顔。

「調整がうまく行っている」、そう信じ切れていることが池田の最大の強みになる。

「優勝争いしていきたいけど、最低限12位タイ以内に入って来年の出場権を取りたい」

 30歳からの再出発は、とても早くはないが、決して遅くない。今年マスターズに出場できていることは、1つの目標達成ではあるが、最終ゴールではない。

「納得してしまえば、それで終わり。いつまでも突き詰めていくことがゴルフには必要。終わりなきゴルフ人生だと思っている」

 堂々とそう語る池田に大いなる期待を抱かずにはいられない。

谷原秀人、世界48位で手に入れた出場権。

 世界ランキングを50位以内に上げるための最後のチャンスとなったマッチプレー選手権で見事4位になり、世界60位から48位へジャンプアップしてマスターズ出場権を手に入れた谷原は、オーガスタにやってきた今も好調さを維持している。

 谷原にとってマスターズは10年ぶり2度目の出場になる。初出場した2007年は「スライス一辺倒。どれだけでも右に曲げられた」という持ち球だったが、それだけではオーガスタを攻略しきれず、91位で予選落ち。

「悔しいっす」と唇を噛んだあの日から今日まで、オーガスタに再挑戦すること、世界の舞台で再び戦うことを諦めたことはない。

【次ページ】 アメリカに挑戦し、はね返された10年前。

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