錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
マレーもジョコビッチも錦織圭も。
強豪選手がスランプを否定する根拠。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2017/03/24 21:00
今季こそはマスターズ1000の大会を制したい錦織。グランドスラムでの成績を考えると、もうあと一歩のところまで迫ってきているはずなのだが……。
マレーもジョコビッチも同様に、スランプではない。
さて、次なる舞台のマイアミ・マスターズがもう開幕している。アンディ・マレーとノバク・ジョコビッチのトップ2は欠場。
インディアンウェルズでマレーは初戦となる2回戦で予選上がりのバセク・ポスピシルに不覚をとり、ジョコビッチは4回戦で前の週に続いてニック・キリオスに敗れた。
マイアミの欠場理由はふたりとも肘のケガとしているが、先のシーズンを見据えた判断だろう。どんなに偉大な選手もうまくいかないときはある。
この2人について錦織が語った言葉は、自分について話したときよりも気持ちがこもっていたように感じた。
「少し変な感じはありますけど、彼らがこの2、3年どれだけのことをやってきたかというのはみんな知ってる。神でもないのでそんなに続くわけもないですし、いずれどこかで強く戻って来ると思う」
マレーとジョコビッチの欠場によって、錦織は第2シードとなった。
マスターズ1000ではもっとも高いシードになるし、昨年は準優勝という好成績だったため、失うポイントのことを考えればプレッシャーもあるだろう。しかし、拠点のブラデントンにも近いマイアミの大会を「ホームのように感じる」と言う錦織には、その言葉の通り、のびのびと、生き生きと、楽しそうな姿を見せてほしい。
錦織がどれだけのことをやってきたかは、みんな知っている。