四国リーグと2m違うJFLの寄せ。

　最初の失点シーンを、かつてU-17日本代表を率いた吉武博文監督は「想定内と言えば半分想定内で、想定外と言えば想定外」と語った。

　前半9分、裏に出されたボールを左サイドバックがペナルティーエリア外で受けてGKに戻したのだが、GKのトラップが流れたところを猛烈に追いかけてきた相手フォワードに押し込まれてしまった。

　吉武監督のフレーズを使わせてもらうなら「半分は不用意、不注意（想定外）」で「半分は不慣れ（想定内）」と言えるだろうか。

　指揮官は言う。

「四国リーグであれば、2m前でボールを蹴ることができたとは思います。あの場面だけじゃなくて、クリアやパスが相手に当たる場面が今までよりたくさんあった。（JFLになって）相手のレベルが1つ上になっていますし、もしかしたら蹴るまでいかないということを口で言っても映像を見せても、なかなか理解はできない。トレーニングをしてきても、やっぱり体感できていないので。そういうのを体験できて良かったなとは思います」

岡田オーナー「要は、もの凄くプレーが遅い」

　岡田オーナーも監督会見とは別の席でこう語っている。

「相手が本当に必死になってきたときの厳しさというものを、この2試合で感じてほしいなと。きょうは何回もボールを（相手に）当てられたと思うんです。あれが今までのレベルなら当たらない。要は、もの凄くプレーが遅い。甘いとかそういう言い方をされるけど、JFLのレベルが必死にきたらこれぐらいなんだよ、とちょっとはわかってくれたんじゃないかなとは思う」

　甘さや緩みではなく、指標を知らなければ始まらない。それを知る相手とすれば、最高の相手だったということだ。

【次ページ】　「岡田メソッド」は確かにチームに息づいている。