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「WBCは僕の人生を変えてくれた」
内川聖一、悪夢から4年後の決意。 

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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posted2017/02/10 11:30

「WBCは僕の人生を変えてくれた」内川聖一、悪夢から4年後の決意。<Number Web> photograph by AFLO

前回は井端らとともに八面六臂の活躍を見せた内川だが、たったワンプレーで天国から地獄に落ちた悔しさは今も忘れていない。

小久保監督は「DHか右の代打」と起用を明言した。

「WBCに呼ばれるのが目的というつもりで言ったわけじゃなかったけど、そういう自分であり続けたいと思わせる一つの出来事ではありましたよね」

 侍ジャパンの小久保裕紀監督は現役当時に内川と一緒にプレーをした仲だ。その思いは知っている。また、自身引退時には次代のチームリーダーとして指名するなど信頼も厚い。だからこそ、'14年の秋に行われた日米野球、小久保監督就任後初の国内開催試合から内川を侍ジャパンに招集している。平均年齢25.7歳という若手中心の人選だったにもかかわらず、だ。

 この春、キャンプインして間もない2月4日、小久保監督がホークスのキャンプ地へ視察に訪れた。囲み取材では内川の起用法について「一塁手は中田(翔)がいるし、DHが多くなる。もしくは右の代打の一番手として考えている」と明言した。

世界一になれるならば「僕はなんでもやります」。

 ペナントレースを控えた中で、難しい役回りを託されることになる。

 しかし、内川に不満など一切ない。

「僕は代表ではレギュラーを確約されたことは一度もない。前回大会も3番を打ったけど、もともとは『3番坂本(勇人)』構想があった中で、流れで僕が座っただけ。当然、レギュラーとしてやるんだという気持ちは持ち続けますが、日の丸をつけてグラウンドに立つときは、チームのために何でもやるという思いが強いです。一番はチームが勝つこと、世界一になること。そのためならば、僕はなんでもやります」

 本音であることは、表情や口調からすぐに伝わってきた。

【次ページ】 「WBCは僕の人生を変えてくれた大会だから」

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