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ロシアで組織ぐるみで1000人以上。
新たなドーピング報告書の衝撃。

posted2016/12/25 08:00

 
ロシアで組織ぐるみで1000人以上。新たなドーピング報告書の衝撃。<Number Web> photograph by AFLO

ドーピングの調査を担当したマクラーレン弁護士。ロシアで薬物使用が恒常化していたことを指摘するなど、踏み込んだ内容になった。

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及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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AFLO

「長年にわたって、国際スポーツの世界はロシアにハイジャックされてきました」

 世界反ドーピング機関の調査チームのリチャード・マクラーレン氏の言葉は、スポーツ界を震撼させた。

 12月9日、マクラーレン氏はロシアのドーピング問題を告発する「マクラーレン報告書」の第2弾を発表。報告書には2011年から2015年にかけてロシアで組織ぐるみのドーピングが行われてきたこと、30種目以上で1000人以上の選手の関与、そしてソチ五輪でも大規模な不正が行われてきたことなどが明らかになった。

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 ちなみにソチ五輪では、ロシアは33個のメダルを獲得して国別メダル数でトップだったが、メダルを獲得した12選手の検体に不正が見つかっており、『汚れたメダル』の可能性がとても高いのが現状だ。

ソチ開催の世界選手権を各国が次々ボイコット。

 マクラーレン報告書を受け、冬季競技の国際連盟は重い腰を上げて、反ドーピング対策に乗り出した。

 ラトビアのスケルトン連盟が、2月にロシアのソチで開催されるボブスレー・スケルトン世界選手権へのボイコットを表明。「ドーピングで汚れた選手と戦う事はできない。もう(ドーピングには)辟易している。2014年に五輪の精神を奪われた場所での世界選手権には我々は参加しない」と強い口調の声明を発表した。

 その後、韓国や米国選手も続々とボイコットを表明。それを受けて、国際ボブスレー・スケルトン連盟はロシアの開催権を剥奪し、ドイツのケーニヒスで行う事を発表した。また国際スキー連盟が、3月にロシアのチュメニで開催予定のスキー距離のW杯を他国での開催を検討していることがわかった。

 ロシア開催になれば、自国選手に有利になるように不正や隠蔽が行われる可能性がある点、また他国選手の心情なども考慮したのだろう。しかしロシア以外で開催された場合でも、ロシア人選手の出場は認められており、国際連盟の対応と選手の間には温度差が見られる。クリーンに戦っている選手としては「潔白が認められるまでロシア選手の出場を認めるべきではない」と思っているのではないだろうか。

【次ページ】 日本の選手たちも、SNSなどで不満を露わに。

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