話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
過去の最終予選、勝ち点を見ると……。
サウジ戦は“絶対に勝つべき戦い”。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/11/09 17:00
解任危機が叫ばれ続けた2016年。ハリルホジッチ監督は今年最後の代表戦を勝利することこそが、疑問の声に対する明確な回答となる。
勝つか負けるかでハードルの高さが一気に変わる。
現在、ハリルホジッチ監督が率いる日本は4試合を消化して2勝1分1敗で勝ち点7。次のサウジアラビア戦に勝った場合、勝ち点は10。勝ち点19をボーダーラインにすると残り5試合を3勝2敗ないし2勝3分で到達できる。決して難しい目標ではなく、気持ち的に多少は余裕を持って戦えるだろう。
しかし、サウジアラビアに負けるとハードルが一気に高くなる。
その場合、勝ち点7のままとなり、勝ち点19を獲得するには5試合で4勝1敗という結果が必要になる。引き分けもほぼ同じペースだ。
サウジアラビア戦以降、残りの5試合のスケジュール(2017年)を見てみよう。
3月23日:UAE(アウェイ)
28日:タイ(ホーム)
6月13日:イラク(アウェイ)
8月31日:オーストラリア(ホーム)
9月 5日:サウジアラビア(アウェイ)
ホームは2試合だが3月は中東でUAE戦を終えた後、日本に戻ってタイと戦うので寒暖差もあり、コンディション的に非常に厳しい状態での試合になる。ホームのもう1試合は強敵のオーストラリアで簡単に勝てる相手ではない。実際、これまでW杯予選で5度戦っているが4分1敗と一度も勝てていないのだ。
サウジ、UAE戦を含む3試合がアウェイでの試合。
いやらしいのがアウェイが3試合も残っており、しかもUAE、サウジアラビアという力のあるチームとの対戦が残っていることだ。
今回、サウジアラビアに敗れて残り5試合を4勝しなければならなくなるとホームのタイ戦、オーストラリア戦に勝つのはもちろん、アウェイのイラク戦に勝ち、さらにUAE、サウジアラビアの2チームの内どちらかにアウェイで勝たないといけないということになる。
UAEは初戦で敗れた相手であるし、サウジアラビアは日本が逆転負けを喫したUAEにホームで3-0で勝つなど現在ホームでは負けなしの2勝1分と非常に強い。しかも中東では何が起こるかわからない。日本の現在のチーム状況や相手との力関係を考えるとアウェイでの2勝1敗は容易なミッションではない。