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天敵ロッテ撃破で得意の札幌へ――。
SB柳田復帰で描くCS逆襲の青写真。 

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byHideki Sugiyama

posted2016/10/07 07:00

天敵ロッテ撃破で得意の札幌へ――。SB柳田復帰で描くCS逆襲の青写真。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

柳田はレギュラーシーズン最終盤までに戦線復帰できなかった。だからこそ、CSの舞台に期するものは大きい。

今季、札幌ドームでは5勝3敗1分けの勝ち越し。

 最後の最後でファイターズとのデッドヒートに敗れたホークスだが、案外、クライマックスシリーズ(以下CS)では勝機があるのではないかと見ている。

 今季の対戦成績は9勝15敗1分と負け越した。だが、CSファイナルの舞台となる札幌ドームに限れば5勝3敗1分と勝ち越しているのだ。

「札幌ドームのマウンドの方が投げやすい」

 何人かの投手はそのように口にする。先発ローテの千賀滉大もその一人で、「札幌ドームのマウンドの硬さ」を理由に挙げた。札幌ドームのマウンドは12球団本拠地の中でも特に硬いといわれる。WBCなど国際大会の導入によって、メジャー流の「硬いマウンド」が日本の球場でも主流になってきたが、札幌ドームはその先駆者的存在なのだ。

 ヤフオクドームも年々改良を施して硬めに仕上がっているが、今季は足を滑らせる投手が散見された。千賀は今季3敗すべてがヤフオクドームで、うち2敗がファイターズ戦だった。しかし、札幌ドームでは2試合に登板して1勝0敗、防御率2.57の成績を残している。

エース格の武田、そして戦列復帰のバンデンハーク。

 若きエース格の武田翔太は今季札幌ドームでの登板はなかったがプロ通算では5戦4勝、防御率1.69の好相性だ。一方、ヤフオクドームでのシーズン防御率4.04と本拠地にもかかわらず苦しんだ。

 その他の主な先発投手も以下の通りだ。

      シーズン   ヤフオクドーム
和田毅   3.04      3.36
中田賢一  3.01      3.38
東浜巨   3.00      3.69

 そして、興味深いのはバンデンハークがシーズン終盤に戦列復帰したことだ。今季ファイターズ戦は1勝1敗、防御率5.21と決して相性は良くないが、札幌ドームのマウンドはいかにも外国人投手向き。一軍昇格後は3試合に登板して「徐々に調子は上向いている」というだけに、CS突破のキーマンに挙げたい。

【次ページ】 フェニックス・リーグで復帰の柳田は走攻守とも万全。

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