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「自分が打線の中に入っていたから」
大谷翔平が明かす、優勝した夜の心境。
posted2016/10/06 12:50
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Takuya Sugiyama
今年はイチローのメジャー通算3000安打から刺激を受けたかのように、若き日本人打者たちが次々とその才能を花開かせた。
ベイスターズの筒香嘉智は松井秀喜氏以来となる高卒7年目での40本塁打を放ち、スワローズの山田哲人は史上初の2年連続「トリプルスリー」。カープの鈴木誠也は.335、29本塁打、95打点と、22歳にして堂々たる打撃成績を挙げている。
それぞれが個性を伸ばして活躍するスラッガーの時代にあって、ファイターズの大谷翔平が残した数字にも強烈なインパクトがあった。
いずれも規定未到達ながら、投手として140イニングを投げ、10勝4敗、174奪三振、防御率1.86、そして打者として382打席に立ち、打率.322、22本塁打、67打点。エース投手として先発ローテーションを回しながら打者として中軸も担うというスタイルは、大谷が示したスラッガーの新しい形態だ。
さらに今季はチームの優勝に投打で貢献したことで、大谷の二刀流もついに完成を見たのではないか――。
投げるだけでなく、打撃でも圧倒的な活躍をした今季。
今シーズンの大谷は対戦相手というよりも、栗山英樹監督が次々と繰り出す新たな起用法と戦っているように見えた。
5月29日の楽天戦で初めてDHを解除して「6番・投手」として打線に入ると、交流戦は「5番・投手」で投打に奮闘。
7月3日のホークス戦では「1番・投手」という驚きの任務を課されるも、初回に先頭打者初球ホームランを放ってみせた。
オールスター前に右手中指のマメを潰して先発ローテーションを外れてからは、約1カ月半「3番・DH」が定位置に。この間、日本ハムは最大11.5あったホークスとのゲーム差を詰めて終盤戦になだれ込む。