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軽量級とはまた違う確かなロマン。
小原佳太のKO負けに階級の壁を思う。 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byAFLO

posted2016/09/15 11:30

軽量級とはまた違う確かなロマン。小原佳太のKO負けに階級の壁を思う。<Number Web> photograph by AFLO

スーパーライト級のリミットは63.503kg。この階級のパンチには、179cmの小原佳太がリングの外まではじき出されるほどの衝撃度がある。

「スーパーライト級で世界なんて無理」なのか。

 惨敗とも表現できる結末だった。ただし、今回の結果をもってして「やっぱり日本人は重いクラスではダメなんだ」とは考えたくない。かつて三迫貴志会長が次のように話していたことを思いだす。

「スーパーライト級で世界なんて無理だと。みんなそう言うんです。もっと軽いクラスの選手にお金も労力もかけたほうがいいと。それが悔しくて、絶対に小原に世界を獲らせようと思っているんです」

 トロヤノフスキーの試合を視察しにロシアまで飛び、関係者に顔を売り、小原が挑戦する際に宿泊するであろうホテルをチェックした。重いクラスがゆえにスパーリングパートナーが豊富にいるロサンゼルスに小原を送り込み、パワーのある海外選手との実戦練習を積ませた。そうした努力は残念ながら今回の挑戦では実らなかった。

 層の厚い中量級以上は、ベルトを獲るのが難しく、だからこそ価値があり、栄冠を手にしたときの喜びは格別だ。軽量級とはまた違う、確かなロマンが存在する。茨の道を歩む小原や、ミドル級の村田、あるいはS・ウェルター級の亀海喜寛(帝拳)の奮起を期待してやまない。

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