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バカになれるから愛される「KZさん」。
SB川島慶三、負傷をも笑い飛ばして。 

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/08/18 11:30

バカになれるから愛される「KZさん」。SB川島慶三、負傷をも笑い飛ばして。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

長崎県出身、九州国際大学出身ということもあって、加入3年目ながら川島はホークスファンに愛される存在となった。

バカになれるからこそ愛される「KZさん」。

 7月、ソフトバンクの一軍は独走状態に陰りが見え始めた頃、川島は「そろそろボクの出番でしょ」と目を光らせていた。川島がいるとベンチが明るくなる。球団スタッフからは待望論が上がったし、ある二軍の若手選手からも川島について「凡退して悔しくて、ベンチに座っていると『声を出すんだよ』と怒られました。確かに慶三さんは、いつも声を張り上げていました」と教えてもらった。

 バカになれる人間は強い。

 特に新しい環境に移ったときなどは、つまらないプライドや羞恥心で身を固めるよりも、周囲の新しい仲間たちといち早く心を通わせられる場合が多い。

 川島はそれが出来る男だ。だから、チーム内だけではなく、ファンにも「KZさん(ケイゾーさん)」と呼ばれて愛されている。まだホークスにきて丸2年が過ぎたばかりなのに、だ。

因縁、古巣の日本ハム……闘志を静かに燃やす。

 8月14日、ホークスはマリーンズに痛恨のサヨナラ負けを喫した。ファイターズとのゲーム差は最大11.5もあったのが、気づけば0.5ゲーム差まで詰め寄られた。焦っている。だが、まだ上に立っているというのが事実だ。

 川島にとっては因縁の相手でもあり、古巣でもある。しかし、川島は静かに闘志を燃やす。

「ホークスが勝つために、優勝するために、やれることはきちんとやる」

 妙な私情を持ち込まない。そんなことをすれば、自分の生き様を否定することになるからだ。

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