琴別府要平の名言
裸になるのがイヤだったんです(笑)。恥ずかしいじゃないですか。
琴別府要平(相撲)
2016/07/11
1997年の11月場所後に引退した元前頭筆頭の琴別府は、引退の理由を問われると茶化して笑い飛ばした。しかし、琴別府の相撲人生は苦難の連続だった。'81年3月場所で初土俵。以降順調に番付を上げ、'89年7月場所に十両に昇進するも、その場所中に風邪をこじらせて急性腎炎を発症、途中休場を余儀なくされた。さらに尿毒症も併発し、一時は生命すら危ぶまれたが、奇跡的に後遺症も残らず回復。その間休場が続き、土俵に帰って来た時期は、'90年9月場所と1年以上掛かってしまった。番付は西序ノ口39枚目まで下げていた。しかしそこから番付を戻すまでが非常に早く、'92年5月場所に十両に復帰し、同年11月場所には新入幕とこちらも奇跡的な再起を果たした。一度新十両を経験しながら、序ノ口に降下した力士が入幕を果たした例は琴別府が初めて。まさに地獄から生還した男なのである。
Number490号(2000/02/10)