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神主にならなかったDeNA新人投手。
熊原健人のアンバランスな魅力。 

text by

日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/06/13 17:00

神主にならなかったDeNA新人投手。熊原健人のアンバランスな魅力。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

熊原健人の背番号は1。かつては金城龍彦がつけていた番号だが、投手としては大洋時代の岩本信一以来66年ぶり。

大学1年の2カ月で球速12kmアップ、U-21代表にも。

 晴れて仙台大学への進学を果たした熊原が激変するのは、1年生の冬を越えた頃だった。本格的なウエイトトレーニングを開始すると、体重66kgしかなかった体はみるみる筋肉に覆われていった。「ものすごくひどかった」フォームの矯正にも乗り出した。

「3月ぐらいからスピードガンで球速を測り始めたんですけど、2カ月で12kmも速くなったんです。140kmしか出てなかったのが、いきなり152kmを出せるようになりました」

 3年時には侍ジャパンU-21に選出され、プロ目線のアドバイスを受ける機会を得たことも大きかったようだ。

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「コーチだった豊田(清)さんと、テクニカルディレクターの鹿取(義隆)さん。お二人に体の使い方や、ドラフトを迎えるまでの過ごし方、野球以外の部分でもどうあるべきかということを教えてもらえて。本当に出会えてよかったなと思います」

 2カ月で12kmの球速アップを果たしてから、わずか3年。無名校の無名選手だった男は、粗削りな部分を隠すことなく、プロの一軍マウンドで堂々とした投球を続けている。

 振り上げた左脚を豪快に踏み込む22歳から目が離せないのは、その不思議な存在感だけでなく、限りなき成長の余地をそこに感じるせいかもしれない。

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