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「日本独自の強さ」で目指す高み。
車椅子バスケ代表、リオでの挑戦。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byShingo Ito/AFLO SPORT

posted2016/06/03 10:30

「日本独自の強さ」で目指す高み。車椅子バスケ代表、リオでの挑戦。<Number Web> photograph by Shingo Ito/AFLO SPORT

4度目のパラリンピック出場となる日本代表主将の藤本怜央。所属クラブの宮城MAXでは8連覇に貢献。ブンデスリーガのハンブルガーSVでもプレーしている。

体格差を埋めるのは、容易なことではない。

 健常者のバスケットボールでも身長など体格の差を埋めるのは容易ではない。ましてや車椅子バスケットボールは、ジャンプ力でカバーするわけにはいかない。体格差を埋めるには、スピードを磨くのも1つの方策だし、優れた連携と組織力も1つだ。

 そこにこだわり、磨いてきた。

「そのときのいい選手を集めるのではなく、継続して積み上げることを考えてきました」

 及川氏は言う。

 強化を継続する中で、成果を残してきた。象徴はリオデジャネイロ大会出場権のかかった昨年のアジアオセアニアチャンピオンシップだ。ロンドン大会のあと、敗れ続けていた韓国に、予選リーグ、3位決定戦で連勝。「全員バスケットボール」と、韓国の戦い方を見極め後半勝負を徹底し、プランどおり後半に優位に立ち、切符をつかんだ戦いぶりこそ、チームの成長を示していた。

より高みを目指す主将・藤本怜央。

 手ごたえを感じているからこそ、及川氏が6位以内と言う一方で、選手からはより高みを目指したいという意志も見られる。

 主将の藤本怜央は、「メダルを獲りに行きたい」と抱負を語る。アテネ、北京、ロンドンに続き、4度目のパラリンピック出場となる。

 藤本は小学3年生のとき、交通事故で右膝から下を切断した。中学、高校では陸上などに取り組んでいたが、その後、車椅子バスケットボールへ。クラブチーム「宮城MAX」に加入、東北福祉大学3年でアテネに出場している。日本代表のエースとして得点をたたき出してきた。

 初めて出場したアテネから、メダルを目標としていた。だが、世界の壁は厚かった。チームの組織力もさることながら自身のレベルもあげなければいけないと、2014年にドイツに渡った。ドイツは車椅子バスケットボールの人気が高く、国内リーグのレベルも高い。そこで毎週末、試合を行なってきた。厳しいシチュエーションでも決めていくシューティングに磨きをかけた。

【次ページ】 「いちばん強い代表を作りあげた自信はあります」

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