スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
岩山も登れるスポーツサンダルが
真夏のフットウェア事情を改善!
posted2016/06/19 08:00
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph by
Nanae Suzuki
暑~い夏の到来! 足を“蒸れ蒸れ”から解放するため、サンダルは欠かせない。そこで二人が注目したのは、男女を問わず若者に人気急上昇中の〈チャコ〉のスポーツサンダル。「歩きやすい!」「疲れにくい!」と大絶賛される、チャコの真価について語る。
高 (ペタペタペタ……)いやぁ、蒸し蒸しするねぇ。
奥山 ペタペタ……って、もうサンダル履いているんですか!? しかも短パン&Tシャツで、そのまま海に行けそうですね。まだ梅雨明けしてないのに! それにしても、まるでスポーツ部合宿所のトイレにあるようなサンダルは、見た目に好ましくありませんね。
高 これ? 小笠原とか八重山諸島とかの漁師やダイバーが愛用する、その名も“漁師サンダル”、略して漁サン(ギョサン)。濡れた船の甲板や岩の上でも滑らないのが特長なんだよ。地味な茶色だから便所サンダルに見えるけど、薄いブルーや白、さらにはラメ入りカラーならお洒落じゃね!?
奥山 ほぅ、滑らないのは魅力ですね。でも、ここは大都会なので、もっとスタイリッシュなサンダルがいいでしょう。なんたって『スポーツはカタチから入る方なんです』を担当しているんですから。
高 わかってるよ。でも、サンダルってどれも似たようなカタチだから、ズバ抜けてカッコいいのってあるのかね?
奥山 ジャジャ~ン! お薦めはコレ、〈チャコ〉のスポーツサンダルです。
高 あ~、はいはい、ストラップが付いているヤツね。“走れるサンダル”ってキャッチフレーズで一時期流行ったけど、いっとき見かけなくなったよね。相変わらず人気なの?
奥山 そもそもスポーツサンダルは、1984年に〈Teva(テバ)〉が水辺でアウトドアを楽しむ人向けのフットウェアを開発したのがきっかけと言われてます。あの頃はみんな、スニーカーのまま川とかに入って遊んでたもんですから、水を含んで重くなったり、すぐに脱げたり、しかもなかなか乾かなかったりと、不平不満が続出してたんですよ。そんな中、テバが機能的なサンダルを出したもんですから、みんなそれに飛びついちゃいました。
高 そうそう! アウトドアフィールドはおろか、街中までテバが溢れてたっけ。
現代人の足を健康にするスポーツサンダル。
奥山 それ以後、アウトドアブームの下火とともに、スポーツサンダルの人気も降下。ところが2010年頃、ベアフット感覚でのランニングが見直されたことに伴い、それに対応したフットウェアが続々デビューしたんですが……。
高 覚えてるよ。だって俺がいち早く5本指のベアフットシューズを、Number誌で披露したんだもん(ドヤ顔)。
奥山 最近はランニングシューズもベアフット感覚を重視しているのか、より軽く、薄くなっています。それまでは着地の際の衝撃に対処するため、各メーカーはブ厚いソールの素材や構造にしのぎを削っていたのに……。こうした対極の現象って、どうなんでしょうね!?
高 別に矛盾はしてないんじゃねえの。筋肉や腱、関節がしっかりしていて、ランニングフォームも適切な人にはより軽くて薄いシューズでもいいし、初心者とかは耐衝撃性に優れたソールのシューズを履いた方がいいし……。そういうアプローチがいくつもあるっての悪いことじゃないと思うよ。
奥山 なるほど。まぁ、そのベアフット・ブームの影響もあって、ここ最近スポーツサンダルのブームも再燃しているんですよ。しかも、昔より性能が進化しているんです。ほら、まずは履いてみてくださいよ!
高(ゴソゴソ……と手に取る)おっと、意外と重いんだね。
奥山 はい、429g(27cm)ありますから。この高密度でボリューミィなミッドソールがチャコの重要ポイントですから、おのずと重くなるのは仕方ありません。
高 確かにソールがブ厚いし、微妙な凹凸があるんだね。
奥山 おっ、鋭い観察力! ほとんどの現代人は「回内」と言って、足が過度に内側に捻りが入る歩き方なんですけど、チャコのこの微妙な凸凹――フットベッド形状によって、正しい姿勢矯正を促し、「回内」を軽減するんですよ。また、その重さが安定にもつながり、長時間の歩行でも疲れにくいってワケです。
高 ふ~ん、両側が盛り上がったヒールカップや、絶妙なカーブを描いた土踏まずが効果を発揮するんだね。よし、実際に履いてみようっと!