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マンUとモウリーニョの復活が始まる。
240億円の予算で「背骨」は出来るか。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2016/06/04 10:30

マンUとモウリーニョの復活が始まる。240億円の予算で「背骨」は出来るか。<Number Web> photograph by AFLO

ファンが持参したマンUのユニフォームにサインするモウリーニョ。長らく青いユニフォームで戦ってきただけに、この赤は新鮮だ。

ルーニーをピッチ上の「片腕」に。

「スペシャル・ワン」の復活は「巨人」の覚醒を意味するだけに、マンUの経営陣は、クラブの伝統に即したチーム作りではなく、「モウリーニョ流」のチーム作りを認めるはずだ。実際に新監督は、ファンの間でも「スタメンには不要」とまで言われ始めた30歳のウェイン・ルーニーに早速電話を入れて、チームの「キャプテン」及び「キーマン」としての信頼を当人に伝えている。いかにも、ピッチ上にも自らの「片腕」を求めるモウリーニョらしい。

 チェルシーでは、'04年夏のプレシーズン米国遠征に向かう機内でキャプテン指名を受けたジョン・テリーがその役を担っていた。昨年のチェルシーで見られたモウリーニョの掌握力低下には、不動のスタメンではなくなったテリーの影響力低下が背景にあったとも考えられる。

 モウリーニョは、「ハードワーク不足」を理由にチェルシーからマンUに売却したフアン・マタではなく、進んで「汗」もかける上、自らMFとしてのレギュラー生命延長を意識し始めたルーニーを、中盤支援を念頭に置いたトップ下、或は前線寄りの3センターの一角でチームの「中核」として位置付けるだろう。 

240億円の補強予算の投資先はセンターライン?

 1億5000万ポンド(約240億円)は下らないとされる補強予算も、モウリーニョのプランに沿って使われることになる。優先課題は指揮官が「軟弱で歩くことさえできない」と言う「背骨」の強化。その下端に当たるGKに関しては、ダビド・デヘアに「残って共に王者になろう」と告げて自ら残留説得に乗り出した。CLのない来季を前に、まだ25歳のスペイン代表守護神の去就は、モウリーニョのカリスマ性を計る意味でも興味深い。

 最終ライン中央には一皮剥けた26歳のクリス・スモーリングがいるが、その相棒として本来は守備的MFのダレイ・ブリントが多用される事態は好ましくない。23歳のラファエル・バラン(R・マドリー)と22歳のジョン・ストーンズ(エバートン) は、チェルシーで獲得を望んだ昨夏からのターゲットだ。

 手前のボランチには、サウサンプトンからの移籍1年目に小粒な印象を拭い切れなかった、モルガン・シュネイデルランを凌ぐレベルのボールハンターが求められる。23歳にして一線級のポール・ポグバ(ユベントス)、27歳で脂が乗るネマニャ・マティッチ(チェルシー)らが候補に挙っている。

【次ページ】 CF候補のイブラとルカクはともに超高額。

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