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不在の遠藤航からU-23への“注文”。
「サバイバルになるのは分かってた」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2016/05/11 07:00

不在の遠藤航からU-23への“注文”。「サバイバルになるのは分かってた」<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

新加入の浦和で、既に中心選手として機能し始めている遠藤航。U-23のボランチは、事実上彼の「指定席」だ。

浦和で強化中の、サイドチェンジ以外の攻撃策。

 海外の強豪チームと対戦し、国際経験が積めない分、遠藤は浦和で課題に取り組んでいく。すでにやるべきことは、頭の中で整理されているようだ。

「もっと攻撃にかかわりたいですね。レッズで攻撃のことを考えるのは、代表でボランチに戻った時に間違いなくいい影響が出ると思うし、やっていけるという自信にもつながると思うんです。たとえばサイドチェンジのボールが、最初の頃は通っていたけど最近は相手も研究しているので、うまくタイミングを計って出さないと引っ掛かってしまうことが増えた。だから今は、真ん中でどう攻撃に絡むのかを意識して取り組んでいます。

 自分が前にボールを運ぶとかはもっとやっていいかなと思いますけど、勝っているのでバランスを崩したくない気持ちもある。でもサイドチェンジが警戒されている時に、真ん中での攻撃とうまく使い分けていければ攻撃の幅が広がる。うまくいかなくなった時、いかに形をかえてより攻撃的なプレーの選択をしていけるか。そういう考えはボランチになった時より重要になるので、トライして成長していきたいですね」

 リオ五輪最終予選では、縦パス率が52.8%を記録するなど、攻撃のスイッチを入れるパスを前線に供給し続けた。五輪本番では、アジアほど簡単に決定的なパスは入れさせてもらえない。ボランチとして攻撃の幅を広げるのは、レッズにとってもU-23にとっても必要なことだ。

「サバイバルになるのは分かっていたこと」

 遠藤が個人の幅を広げるために葛藤する中、U-23日本代表の選手選考はガーナ戦とトゥーロンで最終局面を迎えることになる。リオ五輪本大会18名枠へ生き残りをかけたサバイバルになるので、チームとして連係して戦うのは難しい部分もあるだろう。個がクローズアップされ、世界と戦えない選手が脱落していく厳しい戦いになる。

「最終予選を突破してリオに行くことが決定してから、サバイバルになるというのは分かっていたこと。それを勝ち抜いて入ったメンバーがいてチームが強くなると思うので、ガーナ戦、トゥーロンにいく選手にはメンバーに生き残れるように頑張ってほしい。自分はチームで頑張るんで」

 キャプテン不在の中、逆にキャプテンシーを発揮して遠藤の代わりを果たす選手が出てきてもおもしろい。そのくらいの刺激を与えられる選手が果たして出てくるか。6月、遠藤は、そうして生き残ったメンバーとの再会を楽しみにしている。

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