プロ野球のすべてにいちいち驚いていることだろう。

「ウチの寮って、食堂にひと晩中カレーとご飯が置いてあるんですよ。プロってすごいですねぇ！　しかも、アツアツの状態なんです。ボクの高校の寮では、とにかく食え食えで脅かされながら食べていて、食事の時間が怖い時がありました。でもここでは、時間をかけてゆっくり食えって。楽しく食べた食事はいい筋肉になるそうです。メシの食い方まで教えてくれるんですよ！」

　そう言って目を丸くしていたルーキー投手は、今はその球団の「守護神」として奮投している。

　ルーキーたちが初めて「プロ」と接点を持つおよそ20日間の新人合同自主トレーニング。

　プロ野球のすべてにいちいち驚き、戸惑い、やがて次第になじんでいって、そして今ごろ。キャンプ地の彼らは「プロ」の何を味わっているのだろうか。

　そのへんを探りに、私も腰をさすりさすり今度は九州・宮崎へ向かう。