サッカーの尻尾BACK NUMBER
ネイマールがメッシ、ロナウドを超える?
敵地のクラシコは伝説が生まれる場所。
posted2015/11/21 10:40
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
Getty Images
今回のクラシコを決めるのはメッシでも、クリスティアーノ・ロナウドでもなく、ネイマールだ。
クラシコを直前にひかえたスペインではそんな意見が大半となっている。
2強の両エースはともに100%の状態にない。ロナウドはベニテスの下でどこかやりにくそうにしているし、メッシはクラシコが負傷明け一試合目だ。
一方で、ネイマールは「キャリア最高の時期を過ごしている」と語るように、23年間の人生の頂点を歩んでいる。23歳時点での183点という得点数では、すでにメッシ(150点)とロナウド(118点)を上回った。
11月21日、サンティアゴ・ベルナベウの視線はネイマールに集まるだろう。
近年のクラシコは「クリスティアーノ・ロナウド対メッシ」の構図になっていた。しかし今回、カメラが真っ先に探すのはこのブラジル人になる。
ネイマールがバルサにきて3年、もちろんはじめてのことだ。
「絶対」のロナウジーニョと比較される土俵に。
先日、バルセロナの地元紙『スポルト』はあるアンケートをとった。
「ネイマールはロナウジーニョを超えたのか?」
この3年間でこのような議論は出てこなかった。同じブラジル人として比較されることはあったが、バルセロニスタの中でロナウジーニョという存在は絶対だったからだ。
メッシよりもロナウジーニョ、という意見はいまも一定の層に根強い。
ロナウジーニョは、勝てないバルサを勝てるバルサに変える原動力となった。もちろん、若きメッシのそばで多くのアドバイスをしたのも有名な話だ。
今回のアンケートの結果も、74%が「ロナウジーニョが上」というものだった。
バルセロニスタの心の中に、魅惑のプレーと笑顔は、いまもしっかりと刻まれているのである。
しかしネイマールが急激な勢いで先人に追いつこうとしているのも確かだ。ロナウジーニョとの比較という議論が出た事実もそれを物語っている。