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EURO出場全24カ国を徹底格付け!
Sランクは4つ、意外な高評価の国も。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byGetty Images
posted2015/11/22 10:50
バイエルンではもちろん、代表でもW杯で2大会連続で大量ゴールを決めているミュラー。
久々に期待を集めるイングランドに、開催国も。
< Sランク >
ドイツ/12大会連続12回目出場(西ドイツ時代含む)UEFAランキング1位
スペイン/9大会連続10回目出場・同2位
イングランド/2大会連続9回目出場・同3位
フランス/6大会連続9回目出場・同8位
序盤の3試合で勝ち点4にとどまったドイツは、W杯優勝後のモチベーションの低下を懸念されたが、そこから持ち直して最終節にトップ通過を決めた。9ゴールのトーマス・ミュラー、突出したパス数を記録したトニ・クロース、守護神マヌエル・ノイヤーら変わらぬメインキャストがメジャー大会の連覇に挑む。
前回王者スペインはスロバキアに思わぬ黒星を喫したものの、終わってみれば23得点3失点と圧倒的な数字を残し、最終節には代表デビューのマリオ・ガスパールが得点するおまけも。ブラジルでの悔しさを晴らす絶好の舞台でEURO史上初の3連覇を目指す。
攻撃力が爆発したイングランドは今予選で唯一、パーフェクトに勝ち進んだチームになった(EURO予選史上6度目)。ハリー・ケイン、ジェイミー・ヴァーディーとここ1年ほどでストライカーの新星が立て続けに現れていることもあり、裏切りに慣れているフットボール発祥地のファンも今回ばかりは……、と願っているはず。
開催国フランスは地の利に恵まれるだけでなく、同胞の会長の肝いりでグループIのポルトガルらと充実した親善試合を重ねた。カリム・ベンゼマやアントワーヌ・グリーズマンに加え、ここに来てアントニ・マルシアルも台頭してきたアタッカー陣は豪華そのもので、否が応にもギャルソンたちの期待は膨らむ。
先日、パリで起こった同時多発テロにより、セキュリティー面が懸念されているものの、UEFAは12月12日の組み合わせ抽選と来年6月10日からの本大会開催に変更がないことを明言。'84年フランス大会でプラティニ会長が掲げたトロフィーは、誰の手に渡るのか。その過程では、強国同士の激突だけでなく、せっかく揃った小国が起こすサプライズも観てみたい。