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日本がアジアで失いつつある「優位性」。
ハリルJのミス連発が示す技術力崩壊。

posted2015/10/14 13:15

 
日本がアジアで失いつつある「優位性」。ハリルJのミス連発が示す技術力崩壊。<Number Web> photograph by Getty Images

1対1の攻防(デュエル)での弱さが目立ったハリルJ。フィジカルの差だけでなく、技術的にも差があるとしたら……。

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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 いつだって、アジアとの戦いに向けては、油断大敵と警鐘が鳴らされてきた。

 それでも日本は現在、'98年フランス大会以降、5大会連続でW杯出場を果たしている。'02年の自国開催の際はアジア予選が免除されたが、それ以外の4大会ではアジアのライバルたちとの争いを制して、世界の檜舞台に立ってきた。

 Jリーグが誕生して、20年以上が経過した現在。この間、日本はアジアの先頭集団の1国として存在してきた。それまでの何十年間、一度もW杯予選を通過したことがなかったことがまるで嘘だったかのように、この地域で強豪国として台頭してきた。

 日本が強みにしたのは、技術、スピード、そして組織力。細かな連係を磨いて、体格差のある相手国に立ち向かい、選手たちのプレー精度が上がって行けば行くほど、チームの実力レベルも上昇していった。

 いつしか、日本はアジアで最も“質の高い”サッカーをするという評判を得ていく。我々日本人自身も、コンビネーションを高め、技術を高めて試合内容にこだわっていくことが、日本が勝利するためには不可欠な要素であると考えていくようになる。

 自分たちが、アジアで最も洗練されたサッカーを演じる。これが、日本サッカーの美徳であり、プライドであった。

日本は「技術」でも優位に立てなかった。

 13日にテヘランで行われたイラン戦。そこで突き付けられたのは、我々にとってはできれば受け入れたくない現実だった。

 アウェイでの戦いである。気候も芝生の状況も含めて、日本にとってプレー環境が地元のイランよりも不利に働くことは当然だ。

 ただ、日本がアジアの中で技術力と組織力に長けたチームであるのならば、こうした難しい条件でも相応のプレーを見せなければならない。逆を言えば、プレーしづらい凸凹の芝生の上であっても、簡単なプレーロスや技術ミスをしてしまうようでは、日本の武器はニセモノに見られてしまう。

 そして残念ながら、日本の選手はミスを頻発した。

【次ページ】 監督が代わっても、日本サッカーのベースは不変。

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