メルマガNumberダイジェストBACK NUMBER
福西崇史が語るサッカーの番狂わせ。
格下相手との対戦で注意することは?
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph bySports Graphic Number
posted2015/09/30 16:30
「福西崇史の『考えるサッカー』」、配信は毎週月曜日の予定です。
メルマガ「福西崇史の『考えるサッカー』」、
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!
<目次>
【1】《福西と茂野のキックオフ前? 雑談》(1)
~ エディーJAPANの奮闘から、ラグビーの話を…… ~
【2】《福西と茂野のキックオフ前? 雑談》(2)
~ ラグビーも攻守両面で貢献するポジションがある? ~
【3】《サッカーにおける「番狂わせ」のプロセス》Part.1(1)
~ 1点の重みが大きい分だけ、波乱が起こりやすい ~
【4】《サッカーにおける「番狂わせ」のプロセス》Part.1(2)
~ 勢いに乗る相手を上回るためには、何が必要? ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆
【3】《サッカーにおける「番狂わせ」のプロセス》Part.1(1)
--------------------------------------------------------------------------------------
~ 1点の重みが大きい分だけ、波乱が起こりやすい ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆
――……さて、ラグビーの話題で盛り上がりすぎました。
福西:本当にラグビー好きなんだな、茂野くん(笑)。
――はい(苦笑)。さてラグビーの話を持ち出したのには一応意味があってですね、「サッカーにおける番狂わせのプロセス」ってテーマで2回に分けてお話ししていこうかと思ってます。
福西:なるほど、南アフリカ戦の勝利から思いついたわけか。
――どんな競技やニュースからもメルマガのネタにしてしまおうという魂胆です(笑)。球技は基本的に対戦相手がいるので……。
福西:対戦する相手との力関係っていうのが絶対にあるからね。例えば、日本代表の場合は試合によって「番狂わせを狙う」、「番狂わせを狙われる」どちらの立場にもなり得るからね。
――そうなんですよね。例えば前者はドイツやスペイン、ブラジルやアルゼンチン等をはじめとした強豪国との対戦、後者はW杯予選などで戦うアジア各国との戦いです。強豪を倒すためのスタイルを考えると同時に、足元をすくわれないことも求められる。
守備を固めたチームにはリスクを背負う必要がある。
福西:そう、この切り替えが結構難しい。アジアで日本代表が戦う時、ほとんどの対戦相手は守備ブロックをガッチリと固めて、カウンターを狙ってくる。ハッキリとした戦い方をしてくる相手に対して、日本代表はある程度リスクを背負って人数をかけた攻撃を仕掛けなければ、チャンスがなかなか生まれないことがあったりするよね。
――「番狂わせ」とは少し違うかもしれませんが、引き分けに終わった6月のシンガポール戦が典型的でした。
福西:だね。あの試合はシンガポールに決定機がなかったからスコアレスドローに終わったけど、もし前線にスピードがあるアタッカーがいて、数少ない決定機を決められて、0-1のまま試合が進んでしまって……ということがあり得るのがサッカーの怖さだよね。ラグビーだけでなく他の競技と比べても、サッカーでの番狂わせは間違いなく多い。