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<ラグビーW杯に懸ける男たち>
リーチ マイケル「先頭で、突き抜ける」

posted2015/09/18 10:00

 
<ラグビーW杯に懸ける男たち>リーチ マイケル「先頭で、突き抜ける」<Number Web> photograph by Tadayuki Minamoto

1988年にニュージーランドで生まれたリーチは15歳で来日。現在はスーパーラグビーでも活躍している。

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph by

Tadayuki Minamoto

ジャパンの主将。桜の男たちを先導するのは、高校入学時から日本で育った武骨なバックローだ。謙虚さと荒々しさを併せ持った生粋の戦士が、ワールドカップの死闘最前線に身体を投げ出す。

「MVPを1人あげるなら、リーチです」

 日本代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が、あるトークイベントでそう言ったのは、HC就任1年目、欧州遠征の後だった。エディーは続けた。

「ジョージア戦で、リーチが相手の顔を手ではたいて、危険なプレーとしてペナルティを取られて、レフェリーから注意を受けた場面があった。その直後、リーチは同じ選手に、まったく躊躇なく激しいタックルに行った。これがインターナショナルです」

 日本の社会なら「反省の色がない」と言われかねない行動だが、骨を削り合うテストマッチの世界の評価は違う。ひとつの反則で怯んでいたら、勝利を掴むことなどできない。反則をして良いわけではないが、恐れないことはもっと大切なのだ。

 ツアー中のリーチの貢献はそれにとどまらなかった。試合前の国歌吹奏では、外国人選手も全員で国歌を歌うよう提案し、自ら歌唱指導役を買って出た。「日本人以上に礼儀正しい」と評されるほど細やかな気配りをしながら、試合になれば自らの獣性を遠慮なく解放した。そんなリーチのキャラクターに、世界の頂点を知る指揮官は日本に必要なキャプテンシーを見た。エディーはこの遠征で、廣瀬俊朗主将が欠場したバスク選抜戦でリーチを初めて日本代表の主将に据えた。翌年のフィジー戦でリーチが足首を負傷した後は「いつかお前をキャプテンにする」と告げた。

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