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49連勝目をあげ、改めて引退を宣言。
最後まで己を貫いたメイウェザー。 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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posted2015/09/14 11:30

49連勝目をあげ、改めて引退を宣言。最後まで己を貫いたメイウェザー。<Number Web> photograph by AFLO

ボクシング界の伝説、ロッキー・マルシアノに並ぶ49連勝で引退を宣言したフロイド・メイウェザー。今後の身の振り方が取りざたされているが、まずはその偉業を称えたい。

トップボクサーも1日で音を上げる練習量。

 解説者のジョー小泉氏はメイウェザーの引退について、トレーニングという観点から分析してみせた。

「メイウェザーはもう、これまでのようなハードなトレーニングができなくなっているのではないでしょうか。彼の練習量は尋常じゃないですから。人並み外れた練習量がメイウェザーのボクシングを支えていた。これを続ける体力、モチベーションがもう維持できないんじゃないか。そう思います」

「私は他人が寝ている間も練習をしている」とはメイウェザーがよく口にした言葉だ。ミット打ち、ボディバッグ打ち、サンドバッグ打ちを繰り返し、腕立て伏せや腹筋など、地味なメニューを黙々と続け、トータルで40ラウンドほどの長丁場が通常の練習メニューだ。

 キャンプを張れば午前3時に起床してトレーニングをスタートさせる。「リングで信じがたい金額を稼ぐメイウェザーは、ジムでは一文無しのようにトレーニングに集中する」。スパーリングパートナーを何度か務めた元世界王者のザブ・ジュダーは、複数のメディアにこう語っている。

 ちなみにトップボクサーであるジュダーでさえ、メイウェザーの練習には1日で音を上げてしまったそうだ。確かにこのようなトレーニングは、十分なコンディショニングと高い意欲を維持できなければ実行不可能と言えるだろう。

個人的に好きだったわけではないが……。

 個人的にメイウェザーが大好きだったわけではない。多くのファンと同じように、試合が退屈だと感じたこともたくさんある。それでもなお、試合を終えたメイウェザーがリング中央にひざまずき、天を見上げて神に感謝する姿を見たとき、胸が熱くなった。“努力する天才”はだれに何と言われようと最後まで己を貫き通した。不意に「敵ながらあっぱれ」という言葉が浮かんだ。

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