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日本史上初の入賞可能性を持つ男。
十種競技の「キング」、右代啓祐。
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph byAFLO
posted2015/08/22 10:10
10種類の競技の総合得点を競う十種競技では、全ての筋肉、全ての動きが必要になる。つまり右代啓祐は、「日本で一番運動神経がいい」男という事ができるだろう。
もう1人日本人がいることも右代にとって追い風。
課題になっていた棒高跳は安定してきており、あとは得意のやり投で、本来の投てきができるかどうか。これができれば世界選手権の8位入賞も狙えるだろう。
2013年の世界選手権では、7751点で22位だった。2014年のアジア大会は8088点で金メダル。国際大会での成績もステップ・バイ・ステップで上がってきている。
また今年の世界選手権には、スズキ浜松ACの後輩でもある中村明彦も出場する。自己記録8043点、日本人選手として2人目の8000点オーバーをマークした中村は、右代とは対照的な、トラック種目を得意にしているスピード系の選手。日本人選手が2人、十種競技で世界選手権に出場するのは22年ぶりのこと。競技は2日間にわたるだけに、励まし合える選手がいる中で競技ができるのは、右代にとっても心強いはずだ。
得意種目の跳躍と投てきでは、十分、世界のトップレベルとも競り合えるはず。日本の「キング・オブ・アスリート」右代に、北京で躍動してほしい。