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女子48kg級王座を巡る2人の戦い。
8月の柔道世界選手権で再び激突か。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2015/08/09 10:50

女子48kg級王座を巡る2人の戦い。8月の柔道世界選手権で再び激突か。<Number Web> photograph by AFLO

4月の体重別では浅見八瑠奈(右)が近藤亜美を圧倒。あわや一本かという体落としも見せた。

12月、4月に直接対決し、1勝1敗。

 2人が直接対戦したのは12月のグランドスラム東京。順当に勝ち上がった2人は決勝で対戦する。近藤が開始早々の巴投げで有効をとる。その後はどちらもポイントを得ることができず、近藤が勝利した。

 4月の全日本選抜体重別でも、両者は決勝で対戦する。今度は勝ったのは浅見だった。残り1分になろうかというとき、近藤の姿勢が高くなった隙を見て体落としで有効。その後も攻め続けた。

 浅見は言う。

「負けたらオリンピックへの道は閉ざされます。必死に道を開くしかないと思いました」

 大会の後には、こうも語っている。

「誰がどうと意識するのでなく、自分が強くなれば、誰にも負けません」

 ロンドン五輪代表争いでは、ライバルを意識しすぎて他の選手に足元をすくわれた。その経験から得た教訓だった。そして復帰後の数々の言葉には、舞台に上がれなかったからこそ一層強まったオリンピックへの執念が込められている。敗れて身につけた財産が浅見の力になっている。

 浅見に敗れた近藤は、人目もはばからず号泣した。

「ふがいないです。練習を積んで、信念をしっかりと持ちたいです」

 浅見の厳しい姿勢に触れ、自分の甘さを感じた。

看板としてきた48kg級の歴史を受け継ぐのはどっちだ。

 昨年12月、今年4月に続き、世界選手権で2人は再び直接戦う可能性がある。

 ロンドン五輪を逃して得た糧を武器に、たくましさの加わった浅見が上を行くのか、あるいは味わった敗戦の苦さをばねに近藤が再び笑顔を見せるのか。

 谷亮子に代表されるように48kg級は、日本が看板としてきた階級だ。

 その歴史を受け継いでいくのはどちらになるのか、リオデジャネイロ五輪代表を見据える2人にとって、隙を見せられない世界選手権となる。

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