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新球スプリットに挑む、大瀬良大地。
広島の次世代エースが戻る原点とは?
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/02/19 10:45
自主トレを前田健太と共に過ごした大瀬良。黒田博樹、前田という偉大な先輩と共にタイトル争いを演じられるか?
スプリットと真っ直ぐの「いい関係」を築く。
一朝一夕でマスターできるほど新球習得は生易しい作業ではない。
2008年、当時ソフトバンクの杉内俊哉は本格的にチェンジアップの習得に着手したが、「これなら使える」と確信を得たのがシーズン最後の登板でのことだった。杉内ほどの一流投手でさえ、新たな球種を完璧に自分の武器とするまでには1シーズンも費やしたわけだ。新球習得までの道のりとは、それほどまで険しいのである。だからこそ、原点を見失ってはいけないのだ。
大瀬良には芯の強さがある。
スプリットは球種のひとつ――。そう言わんばかりに、彼はストレートの重要性をこのように説く。
「真っ直ぐをしっかり投げられないと、スプリットとのいい関係が保てないので。だから、これからもブルペンとかでスプリットを修正していかないといけないし、カウントや試合の状況を見ながら『ここで使うといいかな?』と自分で感じたら使ったり。今はそういう状態だと思います」
大瀬良の次回の登板予定は、オープン戦の開幕日となる21日の巨人戦とも言われている。
スプリットが打たれる。あるいは、前回の紅白戦のようにほとんど投げなかった――。
気に病むことはない。
最大の武器であるストレートが走ってさえいれば、大瀬良は順調に仕上がっているはずなのだ。