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ネグレドが日本代表に警鐘を鳴らす、
ポゼッション重視の致命的なリスク。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byGetty Images
posted2015/02/18 10:30
ネグレドは昨年9月にマンチェスター・シティからバレンシアにレンタル移籍となった。背番号を長年つけていた9番から7番に変え、心機一転をはかる。今季は2ゴールをあげている。
「ボールを失った瞬間のプレス」のメソッドを。
本田圭佑や香川真司など主な日本代表選手の個性を考えると、おそらく日本はこの先もポゼッション路線を歩んで行くことになるだろう。個人的にもそれに賛成だ。
ただそれを実現するには、攻撃力だけでなく、高い位置でボールを失ったときに取り返すための守備能力を高めなければならない。
ブラジルW杯とアジアカップの経験を無駄にしないためにも、今こそ「ポゼッションを実現するための守備」に本気で取り組むべき時期に来ているのかもしれない。ドイツサッカー界で言うところの「ゲーゲンプレッシング」(ボールを失った瞬間にかけるプレスのこと。瞬間的な反応が求められる)だ。
今振り返ってみれば、ドイツ代表も「攻守の切り替え重視」→「カウンター成功回数の増加」→「攻撃力の進化による支配率アップ」→「ゲーゲンプレッシングに着手」→「高いポゼッションを実現」という道筋を辿って、世界一に登り詰めた。
はたして日本代表の次期監督は、「ボールを失った瞬間のプレス」のメソッドを持っているのか。ポゼッション路線を進化させるうえで鍵になるはずだ。