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イチローが「この2年欲してきたもの」。
マーリンズ移籍、最大の理由とは?
posted2015/02/06 16:30
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph by
Getty Images
日本人メジャー選手の中で最後の契約――イチロー選手が、1月28日、マイアミ・マーリンズと正式契約を発表した。
その直後の29日、入団会見が行なわれたのは東京都内だった。
イチロー自身が「通常あり得ないことだと認識していて、ただただ恐縮する思い」と説明するように、アメリカ国外であるばかりか、球団首脳陣達がわざわざマイアミから飛んできて一堂に顔を揃えるという、異例ずくめの会見となった。
この会見の一部始終を映像で見たのだが、ずっと知りたかったヤンキース時代のイチローの思いを垣間見ることができた。というのも、昨年の公式戦最終戦を戦い終えたイチローがこのような発言をしていたからだ。
「今日から162試合をやれといわれてもできますね」
この発言の真意はどこにあるのか、みなそれを推し量っていた。
「僕にとっては何よりも大切なもので原動力」
イチローといえば、毎年当たり前のように試合に出続け、それとともに重くのしかかった年間200安打という個人記録達成のプレッシャーと戦いながらグラウンド上に全身全霊を注ぎ込み、常に心身ともに疲弊してシーズンを終えるというイメージが強い。しかしこの発言は、そのイメージとは大きく異なるものだ。
今回の会見で、その疑問へのヒントを見つけることができた。
「まず球団のやたらと熱い思いが伝わってきて、この思いに応えたいという気持ちが大きく沸いてきました。僕がこの2年間欲してきたというものが、これだったんだなというふうに思っています。選手として必要としてもらえる。これが僕にとっては何よりも大切なもので原動力になっているというふうに思います」
昨年の今頃を思い出して欲しい。
2014年シーズンを迎えるにあたって大型補強に取り組んだヤンキースは、ジャコビー・エルズベリー選手、カルロス・ベルトラン選手の2人の外野手の獲得に成功した。キャンプイン前のイチローは球団やメディアから“第5の外野手”扱いをされ、キャンプ中もずっと移籍話が浮上し続けていた。