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無名の元高校球児が偉業を成す。
ドジャースのマイナーコーチに就任!
posted2015/01/25 10:40
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph by
Yoshitaka Kikuchi
日本のごくごく普通の元高校球児が、偉業を成し遂げた。
ドジャースが1月12日、今シーズンの傘下マイナーリーグ全6チームの監督、コーチ人事を発表したのだが、その中に日本人の名前が入っていたのだ。
石橋史匡氏、31歳。下から2番目のルーキー・リーグで、4番手コーチに採用された。
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もちろん関係者以外で彼の名前を知っている人は皆無だろう。これまでも山下大輔氏、荒木大輔氏などが、コーチ留学や臨時コーチ等でマイナーリーグに籍を置いたことはあったが、皆NPBで活躍した名だたるOBたちばかり。
しかも、そのすべてがパートタイム契約だった。
だが、石橋はプロとしての実績がほとんど無いに等しいにもかかわらず、ドジャースにフルタイム契約で採用されたのだ。
「(今回の採用は)まったく考えてもいませんでした。不安はもちろんあります。選手としての経験もほとんど無く、コーチの知識が足りないのも自覚しています。もっと勉強して、選手の話をたくさん聞いてあげたいと思っています」
気合い十分の石橋だが、ここに至るまでの道のりは、まさに山あり谷ありだった。
「メジャーという夢」に向かい、模索し続けた日々。
群馬県出身の石橋は、県内の強豪校の一つ、東農大二高に進学。高校2年まではベンチにも入れず応援に明け暮れる日々だった。高校3年でようやく先発捕手となったものの、目立った活躍をすることもなく、当然だがプロはおろか大学、社会人からの誘いもなかった。
だが、そのまま野球を諦めるつもりはなく、卒業直後に単身渡米を敢行する。中学時代から憧れ続けたメジャーリーグの地で野球をしたい、という夢を追いかけた。2002年のことだ。
語学学校を経て、新年度が始まる9月からロサンゼルスの短大に入学し、迷うことなく野球部に入部した。
しかし、ここでもスカウトの目に留まるような活躍はできなかった。
短大の規則である公式戦出場期間の2年間があっという間に終わり、卒業を待たずに大学を離れ、独立リーグで野球を続ける道を模索した。