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混戦の2歳GIは2週連続で蛯名正義。
“白いディープ”ダノンプラチナの輝き。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/12/22 11:25
2歳戦とは思えない大人びた競馬でGIを制したダノンプラチナ。「白いディープインパクト」は来年も飛ぶだろうか。
この秋、GIは1番人気が全部とんでいた。
「内の馬場が悪かったので、何とか上手く外に出せればいいなと思っていました。手応え充分で4コーナーを回ってきたので、外に出したときは追い出しを待つ余裕がありました。この秋、GIは1番人気が全部とんでいるということだったので、何とか結果が出せてよかったです」
今年GI4勝目をマークした蛯名は勝利騎手インタビューでそう話した。
2011年アルフレード、'12年ロゴタイプ、'13年アジアエクスプレスにつづき、4年連続で関東馬がこのレースを制した。デビューが遅く収得賞金が少なかったダノンプラチナは同額の馬との5分の4の抽選をパスしての出走だったのだが、抽選をくぐり抜けての勝利はロゴタイプ以来。ダノンもロゴも除外される可能性があったのだから、国枝調教師が言及していたように、レーティングのように数値化するか、選定委員会のようなものを設けるなどして、「幻の王者」が出ないような方法を導入してもいいのではないか。
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3着は3番人気のクラリティスカイ、4着はネオルミエール、5着は逃げたアクティブミノル。2番人気のブライトエンブレムは7着、4番人気のアッシュゴールドは8着だった。
芦毛のディープインパクト産駒は数こそ少ないが、鋭い末脚で阪神牝馬ステークスを勝った4歳牝馬スマートレイアーや、外埒近くまで逸走しながらアイルランドトロフィーを勝った3歳牡馬エイシンヒカリなど、個性的な実力馬が目立つ。
整った小顔の「白いディープインパクト」ダノンプラチナ。今後さらに強くなり、鞍上に悲願のダービー制覇をプレゼントすることができるか。またひとつ大きな楽しみが増えた。