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阿武咲と佐藤。日本復権を担う2人の18歳。
~目指す力士像は「貴乃花親方」~
posted2014/12/21 10:30
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph by
KYODO
18歳の初々しい新十両が誕生した。先の11月場所、幕下3枚目の地位で勝ち越し、昇進を決めた阿武咲(おうのしょう)だ。中学2、3年次に「全国都道府県中学生相撲選手権大会」の無差別級で、史上初の2連覇を達成し、卒業後は高校相撲の名門青森県立三本木農業高校に進学。1年生ながら「国体相撲少年の部 個人戦」などの全国大会で優勝すると、高校を中退して阿武松部屋入門を決意した。’13年1月場所の初土俵以来、負け越しなしの破竹の勢いで、わずか11場所でのスピード昇進を遂げたのだ。
176cm、149kgの丸い体躯ながら、武器はスピードと瞬発力。師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)は、愛弟子の昇進に相好を崩しながらも、「プロの世界はそんなに甘いものではないのだと、指導により力を入れたい。全身のバネを使って相手をいっぺんに持って行く力があり、これを伸ばせば、さらに上を狙う強豪力士になると思う」と熱弁をふるう。